■概要■
他者の感情を理解し行動を起こす共感行動は、多くの動物に共通する社会的行動です。この社会性・共感行動の異常は、自閉スペクトラム症などの精神疾患に関連する特徴です。これまで、大脳皮質や大脳辺縁系などが関連脳領域として挙げられてきましたが、これらは本能・生体活動にも欠かせない領域ゆえに、制御が難しい領域です。私共は、小脳がこれらの領域との間で神経回路を形成し、社会性や共感行動をコントロールする可能性を見出しております。本研究では、小脳の役割を、マウス・ヒトを用いて多角的に検証します。さらに、AI解析やiPS細胞由来小脳オルガノイドを導入・活用し、異分野融合型の研究体制から社会性・共感行動の生理学的・病態学的解明を目指します。