■概要■
高度で複雑な脳活動を行うヒトの高次脳機能において、一箇所のみの中枢となる領域は存在しないという考えが定説であった。しかし、自己超克プロジェクト2020において、高次脳機能を司る脳内構造には小さな司令塔領域が潜在的に存在し、正常脳環境の破綻をきたす環境下では新たに機能中枢を形成する集約化現象が生じることがわかった。今回、高次脳機能の新概念に基づき、基礎から臨床にわたる新たな異分野統合研究拠点を構築し、新たに“高次脳機能学”を確立する。マクロからミクロ、さらにはナノレベルまで集約化に関わる神経伝達の仕組みについて調べ、電気の力や脳内アミノ酸代謝の活性化によるさまざまなアプローチを用いた脳機能ネットワークの集約化現象を促す。高次脳機能の理解を深め、超高齢社会における加齢や疾患に伴う高次脳機能障害を回避する新しい予防的先制医療を提案する。