■概要■
T細胞は、抗原特異的な集団に限定しても多様なクローンにより構成されており、また同一クローンについても時間的・空間的・機能的(老化・疲弊を含む)に多様なサブセットに分かれていて、それぞれが異なる役割を果たしている。老化・疲弊状態からの回復も含めてT細胞応答を最適化するには分子・時期特異的な介入が重要であり、そのためにはT細胞応答に関する分子機序の詳細な解明が必要である。本研究ではT細胞受容体レパトアと親和性、転写調節因子、エピゲノム制御を切り口として、ワクチン・感染症・がんにおける抗原特異的T細胞サブセットの誘導・維持機構を包括的に解明する。成果は老化・疲弊に耐性のある高機能型T細胞を誘導し局所で維持させる等を通じて幅広い感染症や癌の予防と治療に貢献できる。金沢大学に整備されたBSL3実験施設を活用し、感染免疫応答研究の人材育成と国際的な拠点の形成を目指す。